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あなたはアニメーション映画『インサイド・ヘッド』をご覧になったことがありますか?2024年8月に、待望の続編である『インサイド・ヘッド2』が劇場公開されました。それに合わせて、テレビでも『インサイド・ヘッド』の再放送があり、多くの人がその魅力を再確認したのではないでしょうか。今日はそんな『インサイド・ヘッド』についてご紹介いたします。

アニメーション映画『インサイド・ヘッド』とは?

『インサイド・ヘッド』は、2015年に公開されたピクサー・アニメーション・スタジオ制作の3Dアニメーション映画です。この映画は、感情の複雑さや成長の過程を描いた感動的な作品となっています。11歳の少女ライリーの頭の中を舞台に、擬人化された5つの感情キャラクター(ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ)が彼女の感情をコントロールしながら、彼女を幸せにするために奮闘するストーリーです。

キャッチコピーは「これは、あなたの物語―」。私たち自身の心の中で日々繰り広げられる感情のドラマを見事に描写しており、子どもだけでなく大人も引き込まれる作品です。

『インサイド・ヘッド』のあらすじ

アメリカのミネソタ州にライリーという女の子が生まれます。それと同時に、ライリーの頭の中にはヨロコビという感情が誕生し、少し遅れてカナシミという感情も生まれます。ライリーの成長とともに、彼女の頭の中にある「司令部」で感情たちはライリーの人生を幸せにするために日々奮闘します。しかし、ライリーを悲しませることしかできないカナシミだけは、なかなか役に立たず、その存在意義が謎に包まれています

11歳になったライリーは、父親の仕事の都合で慣れ親しんだミネソタから大都会サンフランシスコへ引っ越すことになります。新しい生活に馴染めず、彼女の心には不安とストレスが募ります。感情たちの司令部でも混乱が生じ、特にカナシミは過去の楽しい思い出に触れるだけで、それを青色に変えてしまうというトラブルを引き起こします。懸念したヨロコビは、カナシミに仕事をさせないようにし、自分がなんとかライリーを幸せにしようと奮闘します。

しかし、司令部でのトラブルが原因でヨロコビとカナシミは記憶のゴミ捨て場に迷い込み、離れ離れになってしまいます。司令部に残されたイカリ、ムカムカ、ビビリの3つの感情だけではライリーの心をうまくコントロールできず、ライリーはますます混乱してしまいます。一方、ヨロコビとカナシミは各々、自分たちの居る場所でさまざまな体験をしながら、感情の重要性や役割について考え、成長していくのです。

『インサイド・ヘッド』の受賞歴とスタッフ

『インサイド・ヘッド』は多くの人々に感動を与え、数々の賞を受賞しました。

主な受賞歴

  • 第88回アカデミー賞 – 長編アニメーション賞
  • ゴールデングローブ賞 – アニメーション映画賞
  • 英国アカデミー賞 – 長編アニメーション賞
  • アニー賞 – 作品賞を含む10部門受賞

このように多くの賞を獲得し、アニメーション映画としての評価を高めました。

作品に関わった人たち

  • 監督: ピート・ドクター
  • 製作: ジョナス・リベラ
  • 脚本: ピート・ドクター、メグ・レフォーヴ、ジョシュ・クーリー
  • 音楽: マイケル・ジアッチーノ

声優陣も豪華で、以下の方々がキャラクターの声を担当しています。

  • ヨロコビ: エイミー・ポーラー(日本語吹替:竹内結子)
  • カナシミ: フィリス・スミス(日本語吹替:大竹しのぶ)
  • イカリ: ルイス・ブラック(日本語吹替:浦山迅)
  • ムカムカ: ミンディ・カリング(日本語吹替:小松由佳)
  • ビビリ: ビル・ヘイダー(日本語吹替:落合弘治)
  • ライリー: ケイトリン・ディアス(日本語吹替:伊集院茉衣)

日本語版では、竹内結子さんや大竹しのぶさんといった名だたる声優が揃い、映画にさらなる魅力を与えています。

登場キャラクター

ライリー

  • 11歳の少女。ミネソタからサンフランシスコへ引っ越してきたばかりで、環境の変化に戸惑っている。

ヨロコビ

  • 声優: 竹内結子
  • 感情たちのリーダーであり主人公。ライリーの感情を主導するポジションにあり、ポジティブでハイテンションな性格。いつも明るく、感情たちのムードメーカーである。常にライリーを幸せにするために楽観的で前向きだが、時に合理性を欠くこともあり、困難に直面した際には弱音を吐くこともある。

カナシミ

  • 声優: 大竹しのぶ
  • 本作のもう一人の主人公。感情たちの中で最もネガティブな存在だが、一方で感情に関する豊富な知識を持っている。常に悲観的でヨロコビのアイデアを否定しがちだが、実はライリーの幸せを一番に考えている心優しい存在

イカリ

  • 声優: 浦山迅
  • 怒りっぽく、偉そうな態度を取るが、自分にも厳しい潔さを持っている。正義感が強く、曲がったことが嫌い。

ムカムカ

  • 声優: 小松由佳
  • せっかちで過保護な性格の姉貴的存在。ふてぶてしい態度を取りがちで、嫌なものを遠ざけるのが得意。

ビビリ

  • 声優: 落合弘治
  • ライリーを守ろうとするあまり、いつも怖がっているが、裏を返せば慎重さの表れともいえる。危険を察知する能力が高く、心と体の安全を守るために奮闘する

『インサイド・ヘッド』の見どころ

この作品を一度しか見たことがない私ですが、こうして改めて振り返ると、再度観てみたくなる魅力的な映画だと思います。この映画の素晴らしさは、感情と記憶についての深い洞察にあります。

記憶のゴミ捨て場や短期記憶、長期記憶など、普段意識しない脳内の仕組みがキャラクターたちを通して描かれており、とても興味深いです。この映画は子どもたちにとって少し難しい部分があるかもしれませんが、大人には大いに共感できる内容が詰まっています。私たち大人は、歳を重ねることでさまざまな感情を経験し、それが心に響くため、この映画を観ると心に残るのです。

歳を取ると涙もろくなるのは、たくさんの感情が入り混じって溢れたときに涙となるのではないでしょうか。この映画では「喜びという感情は短期記憶に保管される」とされています。これを踏まえると、この映画は記憶や感情について深く考えさせられる要素がたくさんあり、観るたびに新たな発見がある作品だと感じます。感情の扱い方や記憶との関係について、思わず考えさせられる場面が多く、大人が観ても十分に楽しめる内容になっています。

『インサイド・ヘッド』がピクサーにもたらした影響

『インサイド・ヘッド』はピクサーにとっても非常に重要な作品でした。この映画はピクサーに新たな機転をもたらし、スタジオの歴史に大きな足跡を残しました。制作が本格化したのは2010年で、当初はわずか8人のスタッフでスタートしましたが、最終的には207人にまで増員されました。製作期間は約5年と長く、その間に8〜9本の長編映画を作れるほどの脚本が生み出され、試行錯誤を重ねながら完成に至りました。

監督のピート・ドクターは、自身の娘の成長過程での感情の変化に戸惑いを感じた経験が、本作を作るきっかけになったと語っています。また、映画製作のために8〜10人の神経科学者と意見を交わし、科学的な知識を取り入れることで、感情の動きをリアルに描くことに成功しました。

ヨロコビのデザインには、妖精や体操選手、そしてオードリー・ヘプバーンの要素が取り入れられており、キャラクターの魅力を一層引き立てています。この映画の製作費は1億7500万ドルですが、2015年10月11日時点で全世界で8億1880万ドルの興行収入を記録し、ピクサーにとって大成功を収めた作品となりました。制作中にスタジオジブリの宮崎駿監督から励ましの言葉を受け、制作陣は困難を乗り越えてこの素晴らしい作品を世に送り出すことができたのです。

ピクサーの熱意と努力がこの映画の成功につながり、多くの人々に感動を届けることができました。感情というテーマを扱ったこの作品は、観る者に深い印象を与え、心に残る映画として長く愛され続けています。

『インサイド・ヘッド2』公開

『インサイド・ヘッド』の続編である『インサイド・ヘッド2』が、2024年8月1日より劇場公開されています。前作で描かれた感情の世界がどのように進化しているのか、多くのファンが期待を寄せています。新しいストーリーやキャラクターの登場により、また新たな感動と発見が待ってます。

公式サイトでは「脳内メーカー」というコンテンツが用意されています。脳内メーカーはあなたの脳の中を診断し、感情のバランスや特徴を教えてくれるという、ちょっとした占い感覚で楽しめるものです。ぜひ、映画を観る前後に試してみてください。自分の中にどの感情が強く働いているのかを知ることで、映画の内容がより深く楽しめるかもしれません。

『インサイド・ヘッド2』の公開により、多くの人が感情の奥深さや記憶の重要性について改めて考える機会を得ることでしょう。感情の働きや変化について理解を深めることは、私たちの日常生活にも役立つことが多いはずです。ピクサーが再び届けてくれる感動の世界を、ぜひ体験してみてください。

終わりに

『インサイド・ヘッド』は、感情という普遍的なテーマを通じて観客に多くのことを考えさせる作品です。記憶や感情の複雑さを巧みに描いたこの映画は、観るたびに新しい発見があり、心に響く作品です。ピクサーの制作チームが注ぎ込んだ情熱と努力が、スクリーンの向こう側から伝わってきます。

『インサイド・ヘッド2』も、前作同様に心を揺さぶる感動の物語を提供してくれることでしょう。これから観る予定の方も、すでに観た方も、感情の世界を旅するこの映画を通して、新たな視点を得ることができるはずです。
ピクサーが贈る感動の物語を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。