日本の「クラシック音楽」
こんにちは!
あなたは日ごろ、日本のクラシック音楽を聴く機会はありますか? 日本のクラシックについて調べていたら、色々と奥深いことが分かります。
日本のクラシック音楽について、日ごろから聴く機会はなかなか無いと思いますが、情報を知り、聴くタイミングが来た時に役に立てるといいですね。
今日は日本のクラシック音楽についてお話していきたいと思います。
日本のクラシック音楽とは?
その歴史について 「クラシック」という言葉は、ラテン語の「class(クラス)」に由来し、「最高クラスの」つまり「一流の」という意味があります。これが転じて「古典」、「格式のある」の意でも用いられるようになりました。
「古典」という言葉は、古代中国に源流を持つ漢語の「古典」からきています。もともとは単なる古い書物を意味するのではなく、そこに書かれている「礼」(儀式の手順・方式)を意味する言葉でした。やがて、中国古代の聖人たちの著作を示す言葉になり、時代とともにその指し示す範囲が広がってきました。
日本の「クラシック」または「古典」という概念は、古代中国に源流を持つ漢語の「古典」と古代ヨーロッパに源流を持つ「クラシック」という、由来も示している範囲も異なってはいるものの、類似した性格を持った二つの言葉・概念を融合させたものと言えるのだそうです。
日本のクラシックの始まりは、明治維新の西洋文化の輸入が始まりと言われています。特に軍楽・教育分野として発展してきたそうです。 日本のクラシック音楽の特徴は3つあります。
一つ目は、日本のクラシック音楽は、ヨーロッパのクラシック音楽をベースに行われるようになりました。これにより、日本のクラシック音楽は西洋の作曲技法や演奏法を取り入れる一方で、日本独自の美学や感性を保ち続けています。
二つ目は、日本のクラシック音楽には、日本的な哀愁や郷愁を感じさせる旋律がしばしば見られます。これは、日本の伝統音楽や民謡から受け継がれた要素があるようです。これが日本のクラシック音楽の独特の魅力となっています。
三つ目は、日本のクラシック音楽は、西洋と日本の音楽を融合した新たなスタイルを生み出してきました。これにより、日本のクラシック音楽は多様性と革新性を持つことができました。 西洋音楽と軍楽隊の関係や、1887年に設立された音楽教育専門の東京音楽学校の創立と教育が、日本のクラシック音楽に重要な役割を果たしました。
ドイツ人などの音楽の専門家が「お雇い外国人」として来日して指導に当たり、義務教育での音楽の授業や、様々なルートを通じて庶民の間にも普及していったそうです。
その後、第二次世界大戦後には世界に影響を与える日本人作の「クラシック音楽」が作られ、世界で活躍する日本人の指揮者や歌手も登場しました。これらの動きにより、日本のクラシック音楽はその独自の美学と西洋のクラシック音楽との融合により、独特の魅力を持つようになりました。
日本のクラシック音楽で使われる楽器
日本のクラシック音楽で使われる楽器は、主に以下の4つのカテゴリーに分けられます。
- 鍵盤楽器
ピアノ、オルガン、バンドネオン、チェンバロなど - 弦楽器
ヴァイオリン、ギター、チェロ、ヴィオラ、コントラバスなど - 木管楽器
フルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットなど - 金管楽器
トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバなど - 打楽器
ドラムセット、ティンパニー、シロフォン、マリンバ、グロッケンシュピール、ヴィブラフォン、オーケストラチャイム、トライアングル、ウインドチャイム、タンバリンなど
また、日本のクラシック音楽には、伝統的な日本の楽器も使用されることがあります。例えば、武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」では、琵琶と尺八が主に使われていま。 色々な楽器の演奏で、豊かな音楽を届けているのですね。
日本のクラシック音楽の演奏者の数
演奏者の数は様々です。ピアノソロやヴァイオリンソロなど、一人で演奏するソロ(独奏)、ピアノとヴァイオリンのデュエットなどの二人演奏、ピアノ、ヴァイオリン、チェロなど三人で演奏するトリオ演奏、 弦楽四重奏(2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)などの四人で演奏する四重奏があります。
また、オーケストラの場合は、数十人から百人以上の演奏者で演奏することもあります。
日本のクラシック音楽で人気のある20曲
- 「ノヴェンバー・ステップス」 武満徹(たけみつとおる)
- 「ピアノ協奏曲」 矢代秋雄(やしろあきお)
- 「軍艦行進曲」 瀬戸口藤吉(せとぐちとうきち)
- 「ホルン協奏曲『開花の時』」 細川俊夫(ほそかわとしお)
- 「日本狂詩曲」 伊福部昭(いふくべあきら)
- 「新・祝典行進曲」 團伊玖磨(だんいくま)
- 「富士山」 多田武彦(ただたけひこ)
- 「ピアノ協奏曲第3番『神風』」 大澤壽人(おおさわひさと)
- 「憾(うらみ)」 瀧廉太郎(たきれんたろう)
- 「かちどきと平和」 山田耕筰(やまだこうさく)
- 「朱鷺に寄せる哀歌」 吉松隆
- 「ゲッセマネの夜に」 松村禎三(よしむらていぞう)
- 「交響曲第1番」 橋本國彦
- 「交響管弦楽のための音楽」 芥川也寸志(あくたがわやすし)
- 「おほむたから 作品20」 山田一雄
- 「バレエ音楽『生命の律動』」 須賀田礒太郎(すがたいそたろう)
- 「管弦楽のための木挽歌」 小山清茂(こやまきよしげ)
- 「管弦楽のためのラプソディ」 外山雄三(とやまゆうぞう)
- 「饗宴」 黛敏郎(まゆずみとしろう)
- 「交響曲第5番『ヒロシマ』より『悲歌』」 大木正夫(おおきまさお)
上記人気曲5曲の特徴
1.ノヴェンバー・ステップス
武満徹が1967年に作曲した、琵琶、尺八とオーケストラのための音楽作品です。この曲は琵琶と尺八の出会いを演出し、日本の伝統楽器の新しい可能性を開拓した点が特徴的です。また、この曲は邦楽器とオーケストラを組み合わせる点だけでなく、音楽史上まったく別の道を歩んでいた琵琶と尺八の出会いを演出し、日本の伝統楽器の新しい可能性を開拓ししているのが特徴です。
琵琶(びわ)は、東アジアの有棹(ゆうとう)弦楽器の一つで、弓を使わず、弦をはじいて音を出す撥弦(はつげん)楽器です。 琵琶は7、8世紀頃、中国大陸から日本に入りました。正倉院の宝物として伝来当時の琵琶が遺されています。半開の扇もしくはイチョウの葉の形に似た撥(ばち)で弦(絃)を弾奏するのが特徴です。五弦琵琶、楽琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶、唐琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶などの種類があります。
2.ピアノ協奏曲
矢代秋雄の作品で、全曲を通してピアノパートには高度な演奏が要求されるという特徴があります。
3.軍艦行進曲
明るいメロディーが特徴的な曲で、日本では演奏の機会が多く、パチンコ店やテレビなどのBGMとしてたびたび起用されています。
4.ホルン協奏曲『開花の時』
細川俊夫が2010年に作曲したホルンと管弦楽のための協奏曲で、蓮の花が開く過程を表現した作品です。
5.日本狂詩曲
伊福部昭の作品で、シンプルなモチーフの反復、リズムの重視、民族的な音列の使用などが特徴として挙げられます。
日本のクラシック音楽の有名な作曲家
1.伊福部昭
映画『ゴジラ』のテーマ曲を作曲したことで知られていますが、クラシック音楽の作曲家としても活躍していました。彼の作品「日本狂詩曲」は、1935年に作曲され、21歳だった伊福部さんによる初の管弦楽曲で、国際的に知られている歴史的な名曲です。
2.細川俊夫
2010年に作曲した「ホルン協奏曲『開花の時』」が有名です。この作品は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とコンセルトヘボウ管弦楽団の共同依頼により作曲されました。
3.瀬戸口藤吉
「日本行進曲の父」と言われるほどの存在で、「軍艦行進曲」は日本国内においては、「世界三大行進曲」と呼ばれることもあります。 これらの作曲家たちは、日本のクラシック音楽の発展に大いに貢献しました。
最後に
いかがでしたか? クラシック音楽は、楽器にしても、演奏にしても、曲に関しても本当に奥深いことが分かります。
哀愁や郷愁を感じさせる日本のクラシック音楽は、日本人独特の感性から生み出されたようなので、聴く機会があったら、是非、しっかり最後まで聴いてみたいものです。
それまでにもその音楽をしっかり聴いて楽しめる聴力を鍛えたいと思いました